勝手に僻地散歩



六ヶ所村にいってみた その4

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<写真:むつ小川原ウィンドファーム、出力31,500 kW>
原子力発電、核燃料サイクルが怪しげな話であることは、前のエントリーで書いたとおりである。それでは、日本の再生可能エネルギー、新エネルギーは原子力発電に代替可能なのか。その前に、まずは基礎概念について確認する。

設備容量
発電設備における単位時間あたりの最大仕事量を指す。単位はkW
発電電力量
発電設備がある経過時間に供給した電力の総量。単位はkWh
設備容量×年間時間数×設備利用率

ここで設備利用率が重要なのは、発電所は常にフル稼働しているわけではなく、定期点検や想定需要に合わせた出力調整を行っているからである。太陽光や風力に至っては発電量が気象条件に左右される。設備容量だけでは必要な電力量を確保できるかどうか判断ができないのだ。

さてここで一覧表がないかあちこち調べてみたが、新エネルギー、再生可能エネルギーに関しては驚くほどまとまった資料がない。発電電力量や設備容量など最も基本的な指標を一覧できる表がなく、しかも別ソースの数字を付きあわせていくと数字が合わないのである。

不十分ながらまとめた図を以下に示す(上の表と下の表は数字が合っていない。下の表は再生可能エネルギーの電源別内訳の絶対量ではなく、割合を見て新エネルギーの設備容量、発電量の大まかな状況を理解するための目安程度に考えてほしい)
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さて一見すると分かるが、新エネルギーはバイオマス、風力、太陽光、地熱などすべて合わせても、日本が消費する電力量の1.1%、106億kWhでしかない。原子力発電所が供給する2,785億kWhを代替することは現状ではできない。

1kWhあたりの発電コストを見るとさらに前途が暗くなる。今日の日本の電力供給を支える天然ガス、原子力、石炭火力の発電コストは概ね5-7円である。(ただし原子力の発電コストの算出には、立地自治体への補助金、廃炉のコスト、数千年に及ぶ高放射能廃棄物の保管費用は含まれていない。また原子力発電所がなければ必要のない揚水発電のコストも含まれていない。揚水の発電コストは太陽光より高い53円。詐欺!!)しかし再生可能エネルギーは安くて地熱の8円、太陽光ともなると46円である。安定供給という観点で頼みの地熱は日本の総発電量の0.2%に過ぎない。

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<写真:四国カルストにある町営梼原風力発電所、600kW×2基>

原子力発電の新規建設、定期点検中の発電所の再稼働などは地元の意向を無視できないであろうし(ただし、法手続き上地元の同意は必要ではない)。そうであるならば、いかに課題があろうとも、再生可能エネルギーの可能性を真剣に追求せざるをえないのではないか。

<追記:電源ごとの発電コスト 2011年12月現在>
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<出所:エネルギー・環境会議のコスト等検証委員会、電源ごとの発電コスト試算、2011年12月13日>
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by iyasaca | 2011-05-21 22:41 | 青森
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