勝手に僻地散歩



奥鬼怒温泉郷 ヒナタオソロシの滝にいってみた

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奥鬼怒温泉郷にいる。
標高1,400メートルにある八丁の湯から奥鬼怒湿原、そして湿原の北の標高2141メートルの奥鬼怒山を越え、尾瀬沼に至る山道があるという。山越えの道はそれなりの装備が必要である。素人が山に分け入ることほど無謀なことはない。奥鬼怒湿原までは、軽装備で何とかなるが、それでも往復3時間半で600メートルほどを上り下りしなければならないという。もともと山道を歩く予定がなかったこともあるが、途中の滝を見る展望台までであれば、2時間ほどで帰ってこれるというので、二つある滝の展望台の一つ、ヒナタオソロシの滝(日向恐ノ滝)の展望台まで歩くことにした。


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ヒナタオソロシの滝の展望台に至る山道は、よく整備されている。また案内板も適切な場所に設置されており、
「こちらでいいんだろうか」
という不安に襲われることはなかった。最初の30分は川の両脇の急峻な崖を目にしながら歩を進めることになった。ところどころがけ崩れの痕跡があり、危険ではないかという箇所を多く目にした。

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歩き始めて30分、奥鬼怒温泉郷にある4つの温泉の一つ日光沢温泉に到着した。宿は木造2階建て、昔の小学校の校舎のようだ。登山客のための山小屋という風情を残し、辺りの風景によく馴染んでいる。

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日光沢温泉宿までは道はなだらかで、道幅も広いが、日光沢を越えるとまさに山道という感じになる。赴きある山宿を右下に見ながら歩を進め、鬼怒川の源流の両岸に通る山道を歩く。道はところどころ坂がある程度で歩きやすい。道中には小さな滝がいくつかある。これは「ノシ滝」である。水は飲料に耐えるというが、素通りした。

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日光沢温泉から約10分、奥鬼怒湿原への分岐を取らずに左に曲がり、丸太橋を超えたところから、急な坂道が始まる。

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歩き始めてから、ちょうど60分。急な坂道が終わり、平坦な道をしばらく進むとヒナタオソロシの滝の展望台に到着した。ここから湯沢峠を越えれば丸沼温泉に至る。7キロの道のりである。2時間はかかるだろう。ヒナタオソロシが日向恐と書くのはこの看板を見て、初めて知った。そしてなぜか「明治ガム」の宣伝が。広告主である明治チューインガム株式会社は、愛知県に本社がある企業で地元とのつながりも特にない。山奥の滝の展望台にどうして広告板を置こうという決定をしたのだろうか。

ヒナタ(日向)オソロシの滝はオロオソロシ(日陰)の滝と対になっている。つまりヒナタオソロシとは、日向(南向き)にある恐ろしい音がする滝という意味になる。オロは日陰、つまり北向きに位置する。オソロシの由来は、大雨の際に、滝の水が荒れ狂い、大木を押し流したことにある。

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展望台の先に見える根名草山から流れ落ちるヒナタオソロシの滝。奥鬼怒の水が12箇所に分かれて湧き出し、6段になって落下していることから「白糸十二の滝」と呼ばれているというが、展望台からヒナタオソロシの滝まではかなりの距離があるため、滝壺の音も聞こえない。「滝が見える」という程度で、その荘厳さを堪能できないのが残念である。どうやら、長靴などそれなりの装備が必要であるものの、滝壺に至る沢の道というのがあり、その道を通れば、公称400メートルという落差(周辺の地形を考えると実際には、もう少し落差は小さいだろう)を誇るヒナタオソロシの滝壺の近くまで行くことができるらしい。

奥鬼怒温泉郷をめぐる旅はこれにて終了。この辺りの宿はまさに登山客のベースキャンプのようなところである。もちろん、温泉だけを目的に訪問する者にとっても十分に楽しめるが、山を数時間かけて越えてきた人たちにとって、ここの温泉は格別であるだろう。
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by iyasaca | 2007-08-04 04:52 | 栃木 | Comments(2)
Commented by のん at 2014-12-21 22:05 x
初めまして。
つい先日、大雪の奥鬼怒温泉郷に宿泊した者です。
ハイキング地図に「オソロシノ滝」を見つけ、どんなわけでこんな名前が? と宿屋の女性に訊いたのですが、困ったような顔をされただけでした。
今日、偶然こちらを見つけ、大変楽しく拝読させていただきました。
暖かな季節に行ったらさぞ気持ちいいでしょうね。
写真、並びに滝の解説、ありがとうございました。
Commented by iyasaca at 2014-12-27 00:38
のん様、随分と前のエントリーにコメントいただき、ありがとうございます。雪深い冬の山歩きに奥鬼怒の温泉は格別でしょう。私は次は冬に訪れたいと考えています。
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知ることで景色が変わる。誰にも頼まれてないですが、あちこちにいってきます。
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