勝手に僻地散歩



ナガランド州コヒマにいってみた その1

f0008679_1245352.jpgインドの東端、ミャンマーとの国境地帯に広がる山岳地帯。ここでは、ナガ族が外部世界と隔絶した生活を送っている。前にも触れたが、この地域は、英国やインド中央政府など時の政権が恣意的に境界線を引いてきた。それがゆえに、ナガ族(Nagas)は、ナガランド州だけでなく、その周辺、つまりメガラヤ州、マニプル州、アルナーチャル・プラデシュ州、アッサム州そして、国境の東側、ミャンマーなど境界線を越え、生活を営んでいる。


f0008679_129149.jpg


f0008679_1291933.jpg



ナガランドへは、つい最近まで入域許可を取得するのが困難だったが、このところ比較的簡単になっている。とは言え、インドからの独立を目指すグループの活動はいまだ活発である。ナガランドへ入るにはいくつかのルートがあるが、今回は、陸路で入ることにした。グワハティからは、ナガランドの西の玄関口ディマプールまでは列車で行くことができる。グワハティ駅は、夜明け前というのに、多くの人でごった返している。今回の目的地は、コヒマ(Kohima)。現在では、太平洋戦争末期、散々な結果に終わったインパール作戦の中で聞いたことがある、程度の認知度かもしれないが、コヒマは第31師団、通称烈師団と英国軍との壮絶な戦いの地であった。

f0008679_12102814.jpg


f0008679_1210811.jpg




客車は一等と二等の2ランクに分かれている。写真は一等客車。リクライニングもでき、シートピッチも悪くない。

f0008679_12105035.jpg


f0008679_1874196.jpg




ディマプールから、コヒマへは車移動。山をいくつも越えていく。ナガの山々は、南東に向かって標高を上げていく。最高峰のサラマティ山(Mount Saramati)は、標高4,000メートルにも達するが、大部分は標高600-1,000メートルである。森林資源に特に恵まれ、竹、籐のほか、高級家具によく使われるマホガニー材の宝庫である。

f0008679_12689.jpg


f0008679_1262636.jpg




失われつつあるナガの文化を残そうとコヒマには、16の部族の文化をテーマにしたNaga Heritage Villageというテーマパークを建設した。山の斜面の方々に部族の伝統建築を配置し、ナガ文化をここ一箇所ですべて体験できるようにしたいとの意気込みが見える。屋根のつくりなど、伊勢神宮の内宮(皇大神宮)に似ている。
入り口近くには、この地域の特産である竹材で建てられたパビリオン?やカフェテリアなども建設されているが、どうしても私の目にはバブル時に日本のあちこちに作られた「何とか村」と重なって見えてならない。写真ではよく見えないが、山の中腹には、Naga Heritage Villageという文字がハリウッド風にディスプレイされている。

f0008679_1264072.jpg


f0008679_1265558.jpg


f0008679_127949.jpg




ナガは、コニャック(Konyaks)、アンガミ(Angamis)、アオ(Aos)など16の民族の総称である。その方言は60種類にも及ぶが、共通の記述言語を持っていない。つい最近まで首狩りの習慣が残っており、モロンと呼ばれる若衆宿の風習が残っていた。モロンでは、家の建て方、武器の扱い方、耕作の仕方、果ては夜這いの方法に至るまで学んでいく。ちなみに夜這いの風習は、明治期まで、西日本に残っていた。夜這いで妊娠した場合、父親として若衆宿の好きな男性を指名することができた。指名された男はそれを受け入れなければならないのである。早い者勝ちだったのかもしれない。いずれにしても、男女とも13歳から15歳までには、共同体の成人異性によって、いわば公式に性教育が「実践」とともに教えられていた。現代の小中学生に行われる偏向した性教育と比べれば、この風習はむしろ、よほど理にかなっている。描写力ではかなわないので、引用してみる。

「もう共同風呂をやっている家の子供であると、フロから出てくると次に入るオバハンが待っていて、お前もうチンポ大けなったやないか、見せてみい、とつかまえて、つかんでしごいてくれた。チンポむかれて、痛い、痛いと泣くと、ようむかんと嫁はんもらわれへんぜえ、とまたむいて、しごいてくれた。こうした嬶(かかあ)どもは、次にコタツなどに誘って初交いわゆるフデオロシになる。」(赤松 啓介、「夜這いの民俗学・夜這いの性愛論」、58ページ、筑摩書房、2004年)

現代において、男子中学生に対する、既婚の女性のこのような行為が露見すれば、大騒ぎになるだろう。しかし、このような情景は農村部はもちろん、都市部の下層社会などでは珍しいことではなかった。もちろんキリスト教的貞操観念が深層にまで浸透した現代社会には受け入れられるものではないだろうが。


<ナガ関係リンク>
エーヤーワーディ ブログ
ミャンマー中心のブログ。ミャンマー側のナガ族の様子について、詳しく書かれています。
[PR]
by iyasaca | 2006-07-30 12:40 | インド | Comments(2)
Commented by iyasaca at 2008-01-04 14:38
<ナガランド情勢>近々実施されるナガランド州の選挙後の見通しが立たないことからインド連邦政府は、ナガランド州を直轄領とすることを考えているようです。ナガランドは独立を目指す武装勢力が跋扈する地でもあり、対立が激化する可能性があります。
Commented by iyasaca at 2008-12-06 01:58
<追記>コヒマの各エントリーに証言録を追記。
<< ナガランド州コヒマにいってみた... メガラヤ州シロンにいってみた >>


知ることで景色が変わる。誰にも頼まれてないですが、あちこちにいってきます。
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30
検索
最新のコメント
以前の記事
カテゴリ
タグ
ブログパーツ
記事ランキング
ブログジャンル