勝手に僻地散歩



乙未

謹賀新年。

本年の干支は乙未(きつ・び)である。

乙は、説文解字に「春に草木、冤曲して出ずるも、陰気なお強く、その出ずること乙乙(いついつ)たるを象る」とある。つまり固い殻を破って芽が頭だけ少し出た昨年の状態(甲)から、さらに伸びようとする草木の芽が、外の障害に遭って、曲がりくねった状態(乙)へと遷移するということである。

未は羊(ひつじ)と解されているが、十二支の動物名は漢代につけられたものであり、本来、未と羊は無関係である。元々の字義は木の上の方に繁茂する枝や葉を表している。このことは未という字を「木」と「一」に分解してみるとよく分かる。要するに木の上部にある横棒(一)、つまり枝葉である。枝葉は生い茂ると足元が暗くなる。それがゆえに未は「くらい」とも読む。

したがって乙未とは、ようやく進取の精神が芽吹き出し、前進を図ろうとするが、阻害する要因や雑音が多く、そのままでは真っ直ぐに進むことができない状態のことと捉えられる。新しい息吹を殺さぬためには、暗い足元を明るくし、風通しを良くする必要がある。つまり茂った枝や葉を払い落とすという作業が重要となる年ということである。うまく障害を払い、足元を明るくすることができれば、さらなる発展を期待することができる。逆にそれができなければ、根元が右に左に曲がりくねったまま前に進まなければならない事態に陥るとも解釈できる。

暦を遡る。

前回の乙未は1955年である。この年、自由党と民主党という2つの保守勢力が合従し、自由民主党を結党している。同様に革新勢力も左派社会党と右派社会党が統一を果たした。戦争の記憶が未だ生々しく残っていたこの時期、小異を捨て、大同団結することで、日本政治は新たな均衡を見出し、国家をさらなる発展へと導いたのである。

さて昨年12月の総選挙で安倍政権は現有勢力を維持することに成功した。これから取り組むであろう安保法制の整備や憲法改正などは、戦後体制からの脱却の第一歩である。また退路を断った消費増税の日までにデフレ脱却を成し遂げなければならない。残る第三の矢の肝である規制緩和をどこまで断行できるかにかかっているといえよう。

さらには民主党や維新の会などの野党の動きも注目である。民主党は上の方に古い枝や葉が未だに生い茂っていて、下の世代に陽があたらない。過去に何度も執行部に名を連ねたような古い枝と葉を刈り取ることができるだろうか。維新の会にあっては、賞味期限が切れかかっている大阪市長が、古き枝や葉である大阪府と市を解体し、大阪「都」構想を成就できるかどうかが刮目すべきところである。与党も野党も足元を新たにしなければ、そのまま壊死してしまいかねない。このまま繁茂する枝や葉を刈り取らずに右へ左へと蛇行するのか、周囲の雑音、障害に屈せずにこれからの前進の基礎を固めることができるのか、与野党ともに正念場である。

私個人の話をすれば、昨年は本ブログの更新が7月以降、5ヶ月以上途絶した。ひとえに気力の問題である。何を整理せねばならないのか、よく見えていないが、次のステップに向けて、改めて基礎を固める要があることは確かである。

皆様にとってよい一年となりますことを。
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by iyasaca | 2015-01-01 00:00 | 新年のご挨拶 | Comments(0)
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