勝手に僻地散歩



修善寺温泉・新井旅館にいってみた その4 sanpo

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<写真:大きな欅が名物の石濤渓>
渡りの橋の北側には新井旅館の守り神と言われている大ケヤキが鎮座する石濤渓と呼ばれる中庭がある。秋には大ケヤキに寄生する植物が、それぞれ見事に色づくのだと言う。修善寺の町を歩いていたときにも、妙齢の女性に
「あなた紅葉の時期に来なきゃよ」
と話しかけられるほどであったので、やはり紅葉の季節に来なければ、本当に修善寺を知ることにはならないのだろう。

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<写真・雪の棟の廊下、奥の華の池を際だたせるため床を暗い配色にしている>
これもまた有形登録文化財である雪の棟の東側の長い廊下を抜けると、通路が左右二手に分かれている。右は桐の棟で、左に曲がれば花の棟である。

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<写真:池に浮かぶ桐の棟、大正5年建築、登録有形文化財>
正面には創業者の代に桂川の流れを邸内に引き込んで作庭された華の池に乙姫島が配された中庭がある。大正5年に建築された木造2階建ての桐の棟は赤杉が用いられた純特別室で、池の上に浮かぶ水上コテージのような構造になっている。奥の桐3の部屋は小津安二郎の映画や泉鏡花の小説にも登場している。

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写真:桂川から見た花の棟、昭和9年建築、登録有形文化財>
われわれはその桐の棟ではなく、左手に折れた場所にある花の棟2階の部屋に向かった。昭和9年建造の花の棟は窓から桂川、そして竹林の小径を眺めることができる客室である。この竹林の小径は2010年3月に発刊されたミシュランで2つ星を獲得している景観であるそうだ。確かに川の向こう岸に鬱蒼と茂る竹林は鑑賞に値する美しさである。

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<写真:花の棟から見た竹林の小径>
この花の棟も安田靫彦画伯の
「旅館の近代化が叫ばれる時代こそ、日本の伝統に根ざした木造建築の良さを大切にすべきである」
との言に従い、建築されたものである。安田画伯は、建物の監修にあたったと言われているが、実際には大工のカンナのかけ方まで世話を焼いたと言う。随所に見られる長押の釘隠し金具などの意匠は安田のこだわりである。

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<写真:部屋についている風呂、あまり触れられないが意外といい>
杉が建材として使われている数奇屋風建築は、数年前台風の被害に遭い、修繕が必要だったそうである。修繕後は一階の部屋には足湯が設置されるなど新たな趣向も凝らされたという。

今回は立ち入らなかった霞、あやめ、紅葉、吉野、山陽(横山大観のアトリエ)の各棟も全て有形文化財に登録されており、それぞれに格別の趣向が凝らされている。それぞれの美しさについては、新井旅館公式HPにて筆を尽くして紹介されているので、ご覧頂きたい。
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by iyasaca | 2010-04-24 08:57 | 静岡 | Comments(0)
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知ることで景色が変わる。誰にも頼まれてないですが、あちこちにいってきます。
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